世界法年報に論文が掲載されました

2025年5月に世界法学会で報告した内容をもとに、「国際裁判における環境紛争処理と法的思考――グローバル規制基準の可能性――」と題する論文を執筆し、このたび『世界法年報』45号に掲載していただきました。
世界法学会の研究大会では、「国際法における環境法的思考の可能性——持続可能性を統合するグローバルな法システムの課題」がテーマとなっており、これをCaroline Foster教授が提唱した「グローバル規制基準(global regulatory standards)」の概念(書評参照)を用いて、私なりに読み解き、考察をしました。
論文では、司法的作用としての(外見上の)法創造は、国際裁判における法的思考として行われ、その具現化としてグローバル規制基準(具体的には、理由に基づく決定(reasoned decision-making)、規制の整合性(regulatory coherence)、相当の注意(due diligence)、妥当な考慮(due regard)の基準)が用いられていることを示し、その可能性を論じています。
学術的に、国際法の法源論におけるメタ規範性/interstitial norm、国際環境法の基本原則、国際裁判による紛争処理、「グローバル行政法」論といったテーマに関心をお持ちの方々には、特に関連する内容となっています。
また、実務的にも、国際問題が複雑化し対処策が複合的になる中、グローバル規制基準の概念は、体系立てて問題に向き合うための補助ツールとなるのではないかと提案しています。
3年後には、J-STAGEからもお読みいただけるようになります。
平野実晴「国際裁判における環境紛争処理と法的思考――グローバル規制基準の可能性――」『世界法年報』45号(2026年)37-69頁