APU 2019 人権論(日本語)

シラバス

授業概要
「人権」は、私たちが生きる現代社会において、もっとも基本的な価値の一つです。とはいえ、人権が語られるとき、その根拠が倫理的あるいは宗教的な基礎に求められたり、内容が政治的あるいは社会的に決められたりすることがあります。多種多様な歴史や文化的背景を持つ国際社会の中で、一人一人の人権が守られ、その理想を実現するためには、普遍的な人権基準を設定し、共通言語の下で議論できなければなりません。これを可能にするが、国際法として存在する人権です。この授業では、国際人権法の歴史、内容、制度、その背景にある価値観などについて学びます。また、単に頭で人権法を理解するだけでなく、人権に根差した社会を作り上げる一員として必要な、法的に考え主張を展開するための基本的なスキルの修得も目指します。
到達目標
「人権」は、私たちが生きる現代社会において、もっとも基本的な価値の一つです。とはいえ、人権が語られるとき、その根拠が倫理的あるいは宗教的な基礎に求められたり、内容が政治的あるいは社会的に決められたりすることがあります。多種多様な歴史や文化的背景を持つ国際社会の中で、一人一人の人権が守られ、その理想を実現するためには、普遍的な人権基準を設定し、共通言語の下で議論できなければなりません。これを可能にするが、国際法として存在する人権です。この授業では、国際人権法の歴史、内容、制度、その背景にある価値観などについて学びます。また、単に頭で人権法を理解するだけでなく、人権に根差した社会を作り上げる一員として必要な、法的に考え主張を展開するための基本的なスキルの修得も目指します。
授業方法
週の前半の授業では、具体的な人権問題を取り上げます。インタラクティブな授業になりますので、人権の侵害が生じる背景や、人権保護のために国際的な規範や制度が果たすことのできる役割について、考えておくようにしてください。週の後半の授業では、教科書に即して、国際人権法の歴史、内容、制度について説明します。時に、具体的な事案を取り上げるなどし、制度についても具体的にイメージできるようにします。また、グループワークも取り入れ、法を使った議論の方法を学びます。
クイズや中間課題の解説は、授業中に行います。期末レポートのフィードバックは、後日HPかManabaに掲載します。
毎回の授業の概要
1週目①:国家、アイデンティティ、市民権(資:第1部)
1週目②:国際問題としての人権、その中心理念(教:プロ、第1章、第2章)
2週目①:司法侵害と法規制(資:第2部 & 教:第4章4節)
2週目②:世界各地の人権保障を考える(教:第3章)
3週目①:表現の自由と検閲(資:第3部)
3週目②:国連の活動(教:第7章)
4週目①:紛争と移住(資:第4部 & 教:第5章1-2節、第6章)
4週目②:国家報告制度(教:第8章)
5週目①:中間試験(予定)
5週目②:個人通報制度(教:第9章)
6週目①:差別(資:第5部 & 教:第4章1節、第5章4節)
6週目②:国内の人権訴訟(教:第12章)
7週目①:女性の権利(資:第6部 & 教:第4章2節)
7週目②:人権擁護者(Human Rights Defender)(教:第11章、13章、エピ)
8週目①:子どもの権利(資:第7部 & 教:第4章3節)
予習・復習の内容と分量
予習として、授業の計画に書かれた教科書と資料集の該当箇所を読んでおくこと。なお、内容が理解できれば、文章を暗記する必要はありません。内容が理解できない場合は、疑問をメモしておき、積極的に授業中に質問してください。
成績評価方法
授業中に出題するクイズ(20%)…減点式ではなく、加点式によって、授業や日々の学習によって知識を着実に身に付けていることを評価します。

中間試験(30%)…法的に人権を論じる能力が身に付いていることを確認します。

期末レポート(50%)…後日テーマを指示します。
多文化協働学修の実践方法
多文化間の学びを促進する環境や工夫
・法的視点によって人権をとらえることで、文化を越えた共通の「言語」によって対話する手法を学びます。
・『人権の世界地図』を用いつつ他国の状況を紹介し、異なった背景について思考を巡らせるための問いかけを行います。
学生の協働やアクティブラーニングを促進する工夫
・オンラインツールを用いて、参加者からの意見を集め、スクリーン上で共有します。(毎回)
・週の前半の授業で法的主張の作り方について学ぶ際、グループワークを行います。
学生への要望事項
・インターネットにつながるパソコン、タブレット端末もしくはスマートフォンを持参してください。(用途:クイズ、資料検索の練習、みなさんのアイデアを知るためのアンケートなど)
・講義中の写真撮影・録音は、認めません。
テキスト
芹田健太郎、薬師寺公夫、坂元茂樹『ブリッジブック 国際人権法』(信山社、第2版2017年)

長島隆(監訳)『人権の世界地図』 (丸善出版、2019年)
英語版も可:Andrew Fagan, The Atlas of Human Rights (University of California Press, 2010)

薬師寺公夫、坂元茂樹、浅田正彦(編)『ベーシック条約集』(東信堂、2019年)
他の出版社の条約集や古本でも可。
参考文献
詳細シラバスを参照してください。
備考
・インターネットにつながるパソコン、タブレット端末もしくはスマートフォンを持参してください。(用途:クイズ、資料検索の練習、みなさんのアイデアを知るためのアンケートなど)
・講義中の写真撮影・録音は、認めません。