APU 2020 グローバリゼーションと規範(日本語)

詳細版シラバス

Zoomによる講義に伴う変更を反映しています。今後、変更が生じた場合には、受講生に対しアナウンスした上でmanabaに掲載します。

詳細版シラバス(ver. 2020.04.16)

シラバス(授業登録用)

特記事項
 2020年度春セメスター第1クォーターは、Zoomで講義を行います。これに伴い、以下のキャンパスターミナルに掲載しているシラバスから、若干の変更があります。詳細は、初回授業で説明します。
講義分野
グローバルガバナンス、持続可能な発展、国際経済法、国際環境法、文化的多様性、オリンピック
履修の目安
国際関係についての基本的な理解(例:「国家主権」の意味や「グローバル化」のイメージ)を前提として講義を行います。
「国際法」を既に履修していることが望ましいですが、履修の前提条件ではありません。類似のテーマを扱った講義として「人権論」、「国際機構論」、「グローバル化と犯罪」などがあります。 
授業概要
 私たちが日々暮らす中、様々な場面で世界とのつながりを強く意識するようになっています。日常で感じられる例として、外国で作られた物品を日本に輸入して消費したり、外国企業の株を購入したり、といった経済的な結びつきが挙げられるでしょう。また、環境汚染の広がりに国境は関係なく、全世界的な対策は急務です。他方で、グローバル化によって進む均質化に対しては、文化の多様性を認め合う必要も強調されるようにもなっています。
 法は、グローバル化を促進する機能と同時に、抑制させる役割も担っています。国際法や各国の国内法は、国ないし国家機関を名宛人とするだけでなく、国際機関や多国籍企業、NGOといった様々なアクターの越境する活動を可能にし、また規律しています。厳密には「法」ではない多様な規範(norm)も用いられており、私たちの生活に影響を与えるようになっています。
 この講義では、国境を越えたつながりを生み出し、また共通の問題に対応するための国際制度を取り上げ、その一般的な構造を法的視点で把握し、批判的に検討するための理論を学びます。具体的には、グローバル化のうち経済・環境・文化の断片から代表的な制度について、どのように世界の持続可能な発展(Sustainable Development)に貢献しているのか、または問題があるのか、考えていきます。
到達目標
 グローバル化を促進させ、また抑制させる国際的な法制度のうち代表的なものについて、その基本構造や機能を説明できる。また、こうした制度が抱える問題点を指摘できる。 
授業方法
 基本的には講義形式で授業を進めますが、対話も重視します。そのため、予習課題(初回で説明)を読んだ上で授業に出席することが求められます。
また、授業中のディスカッションや中間・期末課題に向けての準備で、グループワークも取り入れます。 
毎回の授業の概要
1.導入、鍵概念の説明(グローバルガバナンス、持続可能な発展など)

(経済のグローバル化と法)
2.貿易に関する制度(1) WTO法の基本原則
3.貿易に関する制度(2) 貿易の促進と環境保護は両立するか?
4.海外投資に関する国際協定の仕組みと内容
5.通貨・金融に関する国際ルール
6.開発援助

(環境問題への法的対応)
7.国際環境法の基本原則、条約メカニズム
8.生態系・自然遺産の保護
9.生物資源・生物多様性の保全
10.大気の保護
11.有害化学物質の国際的規制
12.原子力の国際的規制

(文化のグローバル化と多様性の確保)
13.文化に関する国際的な枠組み
14.オリンピックと法―東京五輪は持続可能な発展に貢献するか? 
予習・復習の内容と分量
 予習として、課題をこなしてから出席するようにしてください。例として、授業で取り上げる国際制度の概要や関連条文の確認などをしていただきます。具体的内容は、初回授業で指示すると同時に、シラバス(詳細版)において示します。
 復習では、授業中で取り上げた制度について、より深く調べてみてください。この作業は、中間発表や期末レポートの準備にもつながります。 
成績評価方法
 予習課題に基づいて授業中に出題するクイズ(20%)、中間発表(40%)、期末レポート(40%)
 (具体的なテーマや課題への取り組み方については、授業中に指示すると同時に、シラバス(詳細版)において示します。) 
多文化協働学修の実践方法
多文化間の学びを促進する環境や工夫
・法的議論を行うことによって、文化を越えた共通の「言語」によって対話する手法を学びます。
学生の協働やアクティブラーニングを促進する工夫
・responを用いてクイズやアンケートを行い、参加者からの回答や意見をスクリーン上で共有し、解説します。
・授業中の議論でグループワークを行います。 
学生への要望事項
・インターネットにつながるパソコン、タブレット端末もしくはスマートフォンを持参してください。(用途:クイズ、アンケートなど。responを使いますので、事前にアプリをダウンロードしておくと便利です。)
・講義中の写真撮影・録音は、認めません。学習に必要となる資料は、Manabaにアップをします。
・飲食は、周囲の気が散らず、教室を汚さないものに限り、認めます。特に、グループワークの妨げとならないよう注意してください。 
テキスト
薬師寺公夫、坂元茂樹、浅田正彦(編)『ベーシック条約集』(東信堂、2020年)
他の出版社の条約集や古本でも可。
備考
 オフィスアワーは水曜日(12:30-14:00)です。教授会がある日は、短縮することになります。数名の学生が来たり、会議や出張が入ったため留守にしたりといった可能性がありますので、訪問する際は、事前に口頭又はメールでアポイントメントをとっていただけると確実です。