京都産業大学「国際法」2019年度(前期)

シラバス

授業概要
 私たちが日々暮らす中、様々な場面でグローバル化を意識するようになっています。この授業で紹介する「国際法」と呼ばれる法は、もはや外交官や国際機関職員といった特定の人だけでなく、日本の公的機関や企業などで働く人にとっても業務の延長で関係するものになりました。また、私たちは国民として一票を投じたり、意見を述べたりする(すべき)場面の多くでも、国際法が関わっています。この授業で、現代人として生きていくうえで必要な国際法に関する基本的な知識はもちろん、自ら国際法を調べ、判断する素養を身に付けましょう。
到達目標
 「国際法」と呼ばれる法を、事例やトピックを通じて具体的にイメージでき、それらを体系立てて理解できるようになることが目標です。また、国際法を扱うためのスキルを身につけることも目指します。
身に付く力
・国際法の基本概念と体系に関する知識
・法的に考える能力
・国際法に関する資料の検索技術、資料を読み解くスキル、英語力
・物事を批判的に分析する力、考えを論理的にまとめる力
授業内容・授業計画
【国際社会の基本構造】
第1講 「国家」とは何か?
第2講 国家間の合意が「法」となるのは、どういった場合か?
第3講 国際的な紛争は、どのように解決することができるか?
第4講 戦争は完全に違法なのか?
第5講 海、空、南極、宇宙、サイバー空間では、自由に活動できるのか?
【法的思考】
第6講 国内法と国際法の関係
第7講 解釈の方法:人権法を例に
第8講 国際法はどのように作られるのか?また、条約からの脱退は自由にできるか?
第9講 国家が国際法に違反するとどうなるか?
第10講 国家が協力する制度は、どのように作られているか?
【身近な国際法】
第11講 日本の安全保障
第12講 日本が抱える領土紛争・人権問題
第13講 人の国境を越えた移動と法
第14講 ビジネスと国際法
第15講 休日と国際法(世界遺産、生態系、文化、スポーツ)
準備学習等(事前・事後学習)
 予習として、上の授業内容に書かれている問い/テーマを考え、自分の言葉で回答を準備して授業に出席するようにしてください。その際、基本書で該当箇所を探しあて、読むことで、どういったことが答えになるのかイメージできるようになります。なお、基本書の様々な部分を探し読むこと、それ自体が、国際法を体系的に把握するという到達目的につながることになります。なお、書いてある箇所が分かり、内容が理解できれば、文章を暗記する必要はありません。内容が理解できない場合は、疑問をメモしてください。授業では、基本書のポイントとなる部分を解説しますが、疑問が明らかにならない場合には、積極的に授業中に質問してください。復習では該当する箇所を再読し、理解を深めてください。学習の際、授業で教える検索技術を用いて国際法の実行を調べるようにすると、さらに知見を広げることができます。
評価方法
・授業中に出題するクイズ(20%):減点式ではなく、加点式によって、授業や日々の学習によって知識を着実に身に付けていることを評価します。
・中間レポート(40%)、期末レポート(40%):「授業の到達目標」や「身に付く力」に従って評価します。なお、中間レポート課題では、授業外の時間で映画を観ることや、グループでの作業も求められます。(具体的な課題の内容は、授業中に示します。)
教 材
・基本書:玉田大(他)『国際法』(有斐閣 ストゥディア、2017年)
・条約集は手元にあると便利ですが、授業中に条約を見つける検索方法を教えます。
(その他の参考文献は、授業で示します。)
その他
・インターネットにつながるパソコン、タブレット端末もしくはスマートフォンを持参してください。(用途:資料検索の方法を実践するため、クイズやみなさんのアイデアを知るため)
・講義中の写真撮影・録音は、認めません。
・個別の質問や相談、コメントなどは授業前後にしてください。