HLPFレポート

(JYPS:【HLPF4日目】HLPFレポートVol.7より)

HLPFに出席して分かってしまいました。SDGsの全体を理解するのは、まず無理です。セッションのテーマも、参加者も、本当に多様で、何しに来たのか自分を見失ってしまいそうになります。そんな私も、今回の派遣はとにかくSDG 6を追いかけるために来ていたので、何とか救われたところがあります。
みなさんは「SDG 6」はご存知ですか?そのとおり、水ですね!ただ、衛生もお忘れなく!(このブログでは、まとめて「水」と書きますが…)

SDG 6は水に関する多角的なターゲットによって成り立っており、飲料水や衛生施設へのアクセスにとどまらず、廃水、水利用の効率性、統合的水資源管理や水の生態系、さらには国際協力や公衆参加まで含まれています。既にご存知のように、今年のHLPFではSDG 6がテーマ別レビューの対象となっていますので、今日まで水に関してたくさんの議論がありました。このブログでは、SDG 6を追いかけることで見えてきたHLPFの横顔をご紹介します。

まずはもちろん、1日目に行われた公式のセッション。この日、『統合報告書(Synthesis Report)』が発表され、その内容がUN-Waterから紹介されました。繰り返し主張されたのは、我々はSDG 6 の下で正しい方向に向かっているが、今のままのペースでは、目標の達成は難しい、ということでした。国からは、水について総合的に、ハイレベルで議論する場が国連でなく、今回のHLPFがそれを実現したとはいえ、4年に1回、3時間議論するだけれは全然足りない、とコメントが多く寄せられました。会場は、「そうだ、そうだ!」という雰囲気に包まれていました。

水は、様々なSDGsに関係します。レジリエンスに関するテーマ別レビューでは、国連大学の代表として沖大幹先生が発言を行う中、日本での豪雨災害に触れておられたのが印象的でした。あるサイドイベントでも、UNESCOの職員から日本のような先進国での災害に驚いたというコメントがあり、小池俊雄ICHARMセンター長が、我々の対応を超えるスピードで気候変動が進んでいると指摘がありました。水は、少なくても、多すぎても、我々の生活に大きな影響を与えてしまいます。

JYPSが関わったサイドイベントに、UN-Waterとユースが共同で主催したSDG 6についての世代間対話のセッションです。大久保JYPS理事がパネルで登壇し、日本がインフラ更新を行い、人口減少に対応し、気候変動の中で水資源管理をするという、難しい意思決定が求められる中、将来の水管理についての意思決定に長期的視点を持ち込むためにユースも積極的にかかわる必要について話がありました。

このほか私が出席したサイドイベントでは、次のような問いについて議論が行われていました。
・SDG 6の達成と水と衛生に対する人権の実現は、どのような関係に立っているか?
・水文学の知見をSDG 6のモニタリングにどのように応用するか?
・国境を超える水(国際河川・湖沼・地下水など)を協力して管理するために、SDG 6はどういった役割を果たせるか?
・SDG 6を達成する上で、水道事業体はどういった役割を果たせるか?

HLPFは、country-led、すなわち、国が議論をけん引する場です。水について議論を引っ張っていたのは、タジキスタン。また、エルサルバドル、スペイン、セネガル、ドイツなどが、セッションを主催するなどしていました。日本は……10年以上前に、橋本龍太郎元首相らが国連事務総長へ助言していたことはあるのですが、今回は水外交においては影も形もありませんでした。 。。

 

2018年07月13日|投稿のカテゴリー:時報, 紹介